インプラント治療のご案内
インプラントとは
チタンを主としたインプラント(人工歯根)の発達は、この20年あまりめざましいものがあり、義歯(入れ歯)がどうしてもなじまない方にとって非常に有効な治療方法となっております。機能的にも、見た目にも生まれつきの歯に最も近く、「第2の永久歯」と言われるほどです。
当院でも1990年以来、大勢の患者さんにインプラント治療を行っており、現在も、ほとんどの方のインプラントが十分に機能し、快適に過ごしていただいております。
しかしながらインプラント治療は、全身の状態、顎骨の様態、骨の密度や量によって慎重に設計を決める必要があり、どなたでもできる訳ではありません。
インプラントの処置の前には、治療計画について十分に相談することが大切です。
※当院では世界中で高い評価を与えられているアストラテック社製のインプラントシステムを採用しています。
※インプラント治療には保険がききません。自由診療となります。
治療の流れ
治療計画および検査
レントゲン検査を行い、治療計画について十分に相談します。
レントゲン等による簡単な診査
専門医療機関でCT撮影
CTをもとにインプラントができるかどうかの診断・治療計画作成
インプラントの種類、植立本数、術式の決定
CTについて
インプラントの顎骨内への植立を安全に成功させるためには、顎骨の状態を十分に把握することが、重要です。そのため、CT(断層写真)が必要不可欠です。
当院では、連携しているCT専門の医療機関を、ご紹介しております。
なお、CT撮影は健保適用外です。
インプラント手術
十分な経験と技術を持った口腔外科専門医(日本口腔インプラント学会所属)が施術にあたります。
手術はインプラントの種類や骨の状態などによって、1度で終了する場合(1回法)と、2度(2回法)に分けて行う場合があります。
インプラント手術の流れ
(1)手術前の状態。
(2)局部麻酔下であごの骨を削ります
(3)インプラントを埋め込み、歯肉で完全に覆います。(1次手術)
(4)歯肉の上にヘッド部分を露出させます。(2次手術)
(5)歯肉の状態が整ったら、アバットメントを取り付けます。
手術について
現在、世界中で広範囲に用いられているインプラントの種類は20種類以上あり、その種類ごとにそれぞれ特徴があります。しかし、インプラント手術の成功率は、その種類よりも、患者さんの骨の状態や手術を行う歯科医の力量によるところが大きいと考えます。
当院では、十分な経験と技術を持った口腔外科専門医(日本口腔インプラント学会所属)が施術にあたります。
手術は麻酔をして行いますので、術中には痛みは感じません。術後についても、個人差はあるものの、1次手術後で3〜4日多少腫れる程度です。大変な親知らずの抜歯手術よりずっと楽だと考えていただいても構いません。(ただ骨量が少なく、他の部位の骨を移植する場合は、何日か腫れます)
また、2次手術の場合には、骨に侵襲を加えませんから手術時間・術後の腫れも少なくなります。
骨増生について
骨量が少ない場合、以前はインプラントを植立することができず、治療を断念していました。ですが最近では骨増生の方法が発達し、以前はインプラントが行えなかったケースでも、治療が可能になりました。
主な骨増生の方法
- 自家骨や人工骨の移植
- GBR法(チタンメッシュなどをおくことにより、骨を増生する方法)
- サイナスリフト(上顎洞の粘膜下に骨を移植して骨量を増す方法)
- ソケットリフト(上顎洞底の粘膜を持ち上げ、骨を増生する方法)
治療期間について
2回法の場合、1次手術から2次手術までには、上顎で4〜6ヶ月、下顎で3〜4ヶ月の期間を要します。
また、骨増生を行う場合、約6ヶ月かかりますので、それだけ治療期間は長くなります。
最近、インプラントの植立と同時に上部構造(人工歯)を装着し、噛むことができる即時インプラントというものもできるようになりました。
しかし、骨の状態が非常に良い場合を除いては時間をかけて治療を行った方が成功率が高いと考えます。
メンテナンス
インプラント治療では、人工歯(最終的なかぶせ物)が装着された後のメンテナンスが非常に大切です。
気づくほどの変化はなくても、インプラントのネジが少しゆるんだり、人工歯がはずれかけたりすることがあります。それらの変化を放置すれば、インプラント体に過剰な負担がかかり、インプラントが抜けてしまう原因となります。
また、お手入れがしっかりできていないと、天然歯と同じように歯槽膿漏のような状態になり、周囲の骨が吸収してインプラントが抜けてしまうことがあります。
インプラントを長持ちさせるためには、日々ブラッシングをして自己管理するとともに、3〜6ヶ月後に一度来院していただいて、インプラントに問題はないか、ブラッシングの状態は良好か確認することが必要です。
治療費用のご案内
基本料金
インプラント本体(フィクチャー)(埋入手術費用等含む)
270,000円
上部構造
金属
90,000円
歯冠色(白)ハイブリッドあるいはメタルボンド
130,000円
骨移植、骨造成
サイナースリフトは症例によっては東京医科歯科大学口腔外科で行います
50,000円 〜 100,000円
CTスキャン
実費
30,000円程度
よくあるご質問
- インプラント治療は誰でも可能ですか?
インプラントを埋入する部位の骨量が十分ないとできません。しかし最近では、骨量のない方でも、骨移植などの方法を用いてかなりの場合出来るようになってきました。
また有病者の方でも、普通の抜歯が出来るような状態の方は基本的には問題ありません。ただ最近多くなってきたビスホスホネート(BP)系薬剤などの骨粗しょう症治療薬を投与されている方(とくに注射出投与されている方、経口でも3年以上投与されている方)は、顎骨壊死のリスクがあるので、注意が必要です。
- 治療時間と 治療期間はどれくらいかかりますか?
インプラント体の埋入(1次手術)にかかる時間は経験豊富な熟練した術者が行えば、1本15分から20分ぐらいです。1次手術後、下顎では3-4ヶ月、上顎では、4-6か月2次手術まで待ちます。
また、2次手術後、上部構造が入って、機能するまで、約1カ月かかります。(最新のインプラントでは1次手術から2次手術までの期間ほぼ半減できるタイプのインプラントも導入されています。)
- インプラントはどれくらい持ちますか?また、保証期間はありますか?
今のオッセオインテグレイションタイプのインプラントが世界で使われるようになって30数年、当院で治療に使用するようになって20数年です。大部分は今も口腔内で機能していますが、人間の体ですから、長期間たてば、内科的疾患が生じてきたり、口腔内も変化します。したがって一生持つとは、保証できません。
また患者さんが、自分の歯と同じようにきちんと磨くかどうか、定期健診を受けて管理するかどうかによっても、口腔内で機能する期間は、変わってきます。
人間の体に対する治療なので、何年という保証もできませんが定期的に健診に応じていらっしゃる方には、5年ぐらいは無償で再治療をします。(一部有償の場合もあります)
- インプラント治療がうまくいかない場合の原因は何ですか?
まずインプラントの適応かどうか。骨量、骨密度が十分かどうかによって、成功率は変わってきます。またそのほか下記の理由が考えられます。
- インプラント本体を埋入するときに感染したり、埋入時のドリルの回転の摩擦熱による火傷のため骨がダメージを受け抜けてしまうことがあります。
- インプラントの周りに骨がうまくできて機能するようになっても、長期間のうちには、自分の歯と同じように歯周病(インプラント周囲炎)で骨が溶けてしまったり、ネジが緩んでそのまま使用して、インプラント本体に負担がかかって、抜けてしまう場合があります。ただこれらは定期的に健診を受けることによって未然に防ぐことが可能な場合も多いです。
- 歯ぎしりやくいしばりをする人も負担過重で予後が悪くなることが多いです。この様な方は、マウスピースの装着が必要となります。
- 喫煙者の方もインプラント周囲の組織への血液の供給が悪く、一般に予後が悪いといわれています。
その他の治療のご案内
所在地
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診察時間
休診日 : 木曜日・日曜日・祝祭日